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チェーンポットとペーパーポットって何?違いと作物別の使い方教えます

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ネギやキャベツの定植作業に時間がかかりすぎて、適期を逃してしまう…そんな悩みを抱えていませんか。

規模を広げたいけれど、手植えではもう限界。かといって高額な移植機を買うほどの余裕もない。実際、管理人が資材屋で働いていた頃も、こうした相談を受けることが本当に多かったです。特に50代・60代の農家さんからは「腰が持たない」という切実な声をよく聞きました。

そこで活躍するのが、日本甜菜製糖(ニッテン)のチェーンポットペーパーポットです。この2つ、名前は似ていますが構造も使い方もまったく別物。選び方を間違えると宝の持ち腐れになってしまいます。

この記事では、元ホームセンターのような資材屋で働いていた管理人が、在職中にニッテンの営業さんから直接聞いた裏話や、実際お客さんである農家さんから聞いた現場のリアルな声をもとに、チェーンポットとペーパーポットの違い・使い方・メリット・デメリット・適合作物を徹底解説していきます。

この記事でわかること

  • チェーンポットとペーパーポットの構造的な違いと見分け方
  • それぞれの使い方の流れと必要な資材・機材
  • 導入するメリットとデメリット(失敗しやすいポイント)
  • チェーンポット・ペーパーポットが向く作物と規格の選び方
  • 実際の農家さんが陥りやすい失敗例と回避策

チェーンポットとペーパーポットの違いとは

ぶっちゃけるとチェーンポットはペーパーポットの種類の一つです。簡単に違いを説明すると

  • チェーンポットは紙鉢が数珠状に連結している「高速定植専用」の資材
  • ペーパーポットは紙のセルトレイ

という違いになります。

チェーンポットは、見た目はセルトレイみたいな感じですが、作りは連結されているポットがセルトレイ状になっているからこそ、専用の簡易移植器「ひっぱりくん」で引くだけで簡単に連続で定植できます。一方のペーパーポットは紙でできたセルトレイだと思っておけばOK。手植えや対応する移植機での1株ずつの植え付けになります。

具体的に整理すると、次のような違いがあります。

項目チェーンポットペーパーポット
連結構造数珠状(チェーン状)に連結集合鉢(連結なし)
主な定植方法ひっぱりくんで高速定植手植え・対応移植機
展開時の形状ハニカム(六角形)状ハニカム(六角形)状
代表的な穴数264穴(CP303)・364穴(CP253)規格により異なる
向いている規模中〜大規模小〜中規模・家庭園芸

資材屋で扱っていた経験から言うと、農家さんが「ペーパーポット」と呼んでいるものの多くは、実は正確にはチェーンポットのことだったりします。ニッテンの営業さんも「呼び方が混在していて困る」と言っていましたが、購入時はチェーン状に連結しているかどうかで判断するのが確実です。

チェーンポットの基本構造

チェーンポットは、特殊加工された紙製の鉢が数珠のようにつながった構造をしています。展開するとハニカム(六角形)状に広がり、1冊で264穴(CP303)や364穴(CP253)といった大量の苗を一度に管理できます。

連結部分は土を入れて水をかけると自然に立ち上がり、定植時に「ひっぱりくん」で引くとチェーンが順番に圃場へ落ちていく仕組みです。1冊あたり25〜30秒で定植完了という驚異的なスピードが実現します。

チェーンポット
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ペーパーポットの基本構造

ペーパーポットも見た目はハニカム状ですが、各鉢は独立しています。均一な大きさの苗を大量に揃えたい場合や、対応する移植機を使う場合、もしくは手植え前提の小規模栽培に向いています。

農家さんの間で評判だったのは、「ペーパーポットで育てた苗は根鉢が崩れにくく、活着が良い」という点でした。紙が土中で分解されるため、根巻きも起こりにくいです。

ペーパーポット
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チェーンポットの使い方と導入に必要な資材

チェーンポットの使い方は、「播種→育苗→定植」の3ステップで標準化されています。手順通りにやれば失敗しにくい設計になっていますが、資材を揃えていないと途中でつまづきます。

理由は、チェーンポットが単体で機能する資材ではなく、専用の補助器具とセットで使うことを前提に設計されているからです。土詰機、展開串、ポットシーダー、ひっぱりくん、これらが揃って初めて省力化効果が出ます。

播種の手順

播種の流れは次のとおりです。

播種の流れ

  1. 育苗箱にセット:底が平らでリブ(突起)のない水稲用育苗箱を使います。リブ付きの箱だと紙鉢が歪むので必ずフラットタイプを選んでください。
  2. 展開:展開串(CP-1)と展開枠でチェーンポットを広げる
  3. 土詰め:規模に応じた土詰機(後述)で培土を充填
  4. ブラッシング:土詰ブラシで余分な土を叩き落とし、紙の六角形が見える程度まで仕上げる
  5. 播種:ポットシーダーやポットプレートで一気に播種
  6. 覆土:六角形がうっすら見える程度の厚さに覆土
  7. 初回かん水:1箱あたり2.0Lを数回に分けて底まで浸透させる

こちらの動画がわかりやすいです。

農家さんに聞かれることが多かったのは「覆土の厚さってどのくらい?」という質問でしたが、ニッテンの営業さんいわく「六角形が見えるか見えないかギリギリ」が正解です。厚すぎると発芽ムラ、薄すぎると種が浮き上がります。

育苗管理のポイント

播種後は育苗器で地温20〜23℃・110〜120時間(4〜5日)入庫し、発芽を揃えます。育苗器がない場合はビニールトンネルと不織布(パオパオなど)で代用可能です。

育苗中のかん水は、土に指を突き刺してさらさらと乾いた箱が3枚程度出てきたら全体にかん水するのが目安です。苗箱の周囲は乾きやすいので、ネトマールII(根止敷紙)を下に敷くと水分のムラが減ります。

定植の2週間前からは順化(外気慣らし)を開始します。本葉2葉目の長さが1葉目の半分になったタイミングが順化開始の目安です。

定植は「ひっぱりくん」で一気に

定植は簡易移植器「ひっぱりくん HP-16型」を使います。管理機(溝切り機)で溝を切った圃場に、チェーンポットをセットしたひっぱりくんを引くだけ。1冊(264〜364株)が25〜30秒で植え終わります。

手植えと比べたら体感で10倍以上速いです。農家さんからは「これを使ったら手植えには戻れない」という声を何度も聞きました。

ペーパーポットの使い方と向いている場面

ペーパーポットの使い方は、基本的な育苗手順はチェーンポットと共通ですが、定植は手植えまたは対応移植機で1株ずつ植えるのが特徴です。

理由は、鉢が独立しているため「ひっぱりくん」のような連続定植ができないからです。その代わり、1株ずつの苗質を細かくコントロールでき、サイズや生育を厳密に揃えやすいというメリットがあります。

ペーパーポットが選ばれる場面

メーカーの営業さんから直接聞いた話では、ペーパーポットが選ばれるのは次のような場面が多いです。

  • 家庭園芸・小規模栽培:ひっぱりくんを買うほどの規模ではない
  • 花き類の鉢上げ前提:一度ペーパーポットで育て、ポット上げする工程
  • 試験栽培・育種:品種ごとに苗を分けて管理したい
  • 移植機を既に持っている:対応する移植機で機械定植する

資材屋では、個人の家庭菜園レベルならペーパーポットよりも新聞紙を丸めて作る自作ポット(直径7cm程度、マスキングテープで底を固定)で十分な場合も多いです。数株しか作らないならコスト的にその方が現実的です。

ペーパーポットの育苗のコツ

ペーパーポットで育苗する場合も、温度・水・肥料の管理はチェーンポットと同じです。ただし、鉢が独立しているぶん、並べ方による日照ムラが出やすいです。聞いたことのある農家さんの知恵では、「週1回、苗箱の向きを180度回転させる」という方法でした。

チェーンポットとペーパーポットのメリット

チェーンポットとペーパーポットを導入する最大のメリットは、育苗面積の劇的な圧縮と定植スピードの向上です。

理由は、この2つが連動して「経営規模の拡大」を可能にするからです。育苗スペースが1/10になれば、空いたハウスで別作物が作れます。定植が速くなれば、天候を見ながら適期作業ができるため、収量と品質が安定します。

育苗面積が1/10以下になる

地床育苗で10a分の苗を作ろうとすると、広大な育苗床が必要です。ところがチェーンポット・ペーパーポットなら、10a分の定植に必要な60〜70冊をわずか14〜16㎡で管理できます。

農業資材の営業さん曰く、「ハウス1棟を丸々育苗に使っていた農家さんが、チェーンポット導入で育苗スペースを隅っこの14㎡に集約し、残りを収益作物に回せるようになった」ということもあるそうです。

定植スピードが圧倒的に速い

ひっぱりくんを使ったチェーンポットの定植は、1冊25〜30秒。これは手植えの感覚では考えられないスピードです。

朝7時に始めた定植が、昼前には終わったというケースもありました。以前は丸2日かかっていた作業です。

均一な苗作りで機械化しやすい

1鉢あたりの土量・播種粒数が一定なので、発芽も生育も揃います。結果として、定植後の生育ムラが減り、収穫時期が集中します。選別・出荷作業の効率も上がります。

チェーンポットとペーパーポットのデメリットと注意点

一方で、デメリットや失敗しやすいポイントも正直に押さえておく必要があります。

理由は、これらを知らずに導入すると「思ったほど楽にならない」「初期投資を回収できない」という結果になりかねないからです。

初期投資がそれなりにかかる

ひっぱりくん、土詰機、展開串、ポットシーダー、そして消耗品のチェーンポット本体。最低限揃えるだけでも数十万円単位の初期投資が必要です。

圃場条件が悪いと性能を発揮できない

ひっぱりくんは砕土率80%以上(2cm以下の土塊が8割以上)の圃場でないと、きれいに定植できません。土塊が大きいと苗が浮いたり倒れたりします。

また、ネギ栽培では過湿が致命的なので、細い排水路を作る弾丸暗渠(深さ30〜40cm・間隔2〜5m)と田んぼや畑の外周をぐるっと囲むように掘る排水溝、つまり額縁排水溝(深さ25cm以上)の設置が事実上必須です。

ネギは「剪葉」作業が必要

ネギ苗が長いまま定植すると、ひっぱりくんの中で絡まったり、定植後に倒伏したりします。そのため定植5〜7日前に葉を12cm程度にカットする剪葉作業が必要です。

店頭でよく聞かれたのは「剪葉って面倒じゃない?」という質問でしたが、農家さんに聞いた実例では「剪葉をサボると手直し作業が倍になるから、結局やった方が早い」という答えばかりでした。

機械操作の安全面

管理機(溝切り機)の中には、クラッチが金具で固定される特殊なトリガー式構造のものがあります。操作ミスで暴走すると非常に危険なので、初使用時は必ず2人体制で作業してください。

白ネギには外せない!チェーンポット・ペーパーポットに向いている作物

チェーンポットは、白ネギを筆頭に、青ネギ・ミツバ・花き類・キャベツ・ブロッコリー・エダマメ・ニラなど、多くの作物に対応しています。

理由は、株間を変えた「ロングピッチ(LP)シリーズ」がラインナップされており、作物ごとの適正株間に合わせた規格が選べるからです。

代表的な規格と適合作物

規格株間主な適合作物
CP3035cm白ネギ、ミツバ、花き類
CP2534.5cm省スペース育苗向け全般
LP303-1010cm青ネギ、キク、花き類
LP303-1515cm小ネギ、エダマメ、ニラ
LP353-3030cmキャベツ、ブロッコリー
KLP303-1010cmらっきょう、にんにく(生分解性・育苗不可)

メーカーの営業さんから聞いた話では、一番出荷量が多いのはやはり白ネギ用のCP303だそうです。白ネギ農家さんの定番で、「これがないと仕事にならない」というレベルで普及しています。

作物別の選び方の考え方

  • 白ネギ:CP303が標準。大規模で省スペース重視ならCP253も選択肢
  • キャベツ・ブロッコリー:株間30cmのLP353-30
  • エダマメ・小ネギ:株間15cmのLP303-15
  • 花き類:作物の株間に応じてCP303またはLPシリーズ
  • らっきょう・にんにく:KLP(生分解性)だが育苗不可、球根植え付け専用

まとめ

チェーンポットとペーパーポットは、日本の労働力不足農業において「規模拡大の鍵」になる資材です。今回のポイントを振り返ります。

本日のまとめ

  • チェーンポットは数珠状に連結した紙鉢で、ひっぱりくんで1冊25〜30秒の高速定植が可能
  • ペーパーポットは鉢が独立した集合鉢で、手植えや対応移植機での定植に使う
  • メリットは育苗面積1/10圧縮・定植スピード10倍以上・均一な苗質
  • デメリットは初期投資・砕土率80%以上の圃場条件・ネギの剪葉作業
  • 規格はCP303(白ネギ標準)を中心に、作物の株間に応じてLPシリーズを選ぶ
  • 導入効果を最大化するには弾丸暗渠と額縁排水溝による排水対策が必須

まずは自分の経営規模と主要作物を整理し、JAや資材店で見積もりを取ってみてください。ひっぱりくんは実演会が各地で開催されているので、購入前に一度実際の動きを見ると失敗しません。最寄りのJAに問い合わせると実演会の情報がもらえますよ。

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