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ビニールハウスの遮光は遮熱・遮光剤は楽でおすすめ!他対策との違い

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「夏になるとハウスの中が灼熱地獄で、作物も自分もぐったり…」

「遮光ネットを毎年張ったり外したりするのが、もう体力的にキツい」

「遮光剤って気になるけど、メリットもデメリットもよくわからなくて手が出せない」

こんなお悩みを持っている方も多いのではないでしょうか。

実は、ハウスに塗るだけで使える「遮光剤(塗布剤)」を正しく選べば、ハウス内の温度を3〜7℃も下げながら、ネットの脱着という重労働から解放されます。作物の品質も守れて、作業者の熱中症リスクまで減らせる。まさに「楽」と「効果」を両立できる新しい高温対策なんです。

この記事は、元ホームセンターのような農業資材店で働いていた管理人が、在職中に様々なメーカーの遮光資材を扱い、メーカー営業さんとの会話で得た裏話や、実際に農家さんから聞いた現場の悩みをもとに、ハウスの遮光剤について徹底解説していきます。

この記事でわかること

  • 遮光剤(塗布剤)とは何か、遮光と遮熱の違い
  • 遮光剤のメリット・デメリットを正直に解説
  • 遮光ネット・遮熱フィルムとの違いと使い分け
  • ハウスにおすすめの遮光・遮熱剤ベスト5
  • 散布・除去で失敗しないコツ

ハウスの高温対策をしないと起きる3つの深刻な問題

「暑くなったら窓を開ければいい」と思っている方も多いと思います。でも、近年の異常高温は窓を開けるだけではどうにもならないレベルになっています。

対策をしないまま夏を迎えると、次の3つの問題が起きます。

ハウスに起こる3つの問題

  1. 高温障害による品質・収量の低下
  2. 作業者の熱中症リスク
  3. 遮光ネットの脱着による重労働

それぞれ詳しくお話していきます。

高温障害で品質も収量も落ちる

ハウス内が高温になりすぎると、作物は「高温障害」を起こして品質も収量も大きく落ちます。

植物には光合成がうまく働く適温があります。これを超えると、葉焼け(葉が焼けたように傷むこと)やしおれ、代謝異常といったトラブルが一気に増えるんです。トマトでいえば着色不良や尻腐れ、花が落ちてしまう落花など、収益に直結する症状が出てきます。

実際に7〜8月だけ収穫数がガクッと落ちるという話などがありました。。原因をたどると、ハウス内の高温で作物がストレスを受けていたケースが本当に多かったです。つまり、高温対策は「暑さしのぎ」ではなく、夏場の売上を守るための投資というわけです。

作業者が熱中症で倒れるリスク

次に見逃せないのが、人への影響です。夏のハウス内は40℃を超えることも珍しくなく、まさにサウナ状態。この中での作業は、熱中症のリスクと常に隣り合わせです。

遮熱対策をしてハウス内温度を数℃下げるだけでも、作業環境は大きく変わります。メーカーの営業さんからも、「最近は作物のためというより、人が倒れないために遮熱剤を入れる農家さんが増えている」という話を聞きました。

遮光ネットの脱着が毎年の重労働になる

最後に、対策方法そのものの負担です。従来主流だった遮光ネットは、夏の前に張って、秋に外すという作業が毎年発生します。

この展張・撤去作業、実は想像以上の重労働です。ハウスの屋根に登っての高所作業になることも多く、落下の危険もあります。さらに、使わない時期のネットを保管する場所も必要です。「ネットを張れば安心」という時代から、「いかに楽に、安全に対策するか」が問われる時代に変わってきている、ということです。

遮光剤(塗布剤)とは?遮光と遮熱の違い

遮光剤とはハウスのビニールやガラスの表面に塗る(吹き付ける)タイプの高温対策資材で、大きく「遮光タイプ」と「遮熱タイプ」の2種類に分かれます。

ネットのように張ったり外したりする必要がなく、塗るだけで日射や熱をコントロールできるのが最大の特徴です。ここを混同すると製品選びを間違えるので、まずは2つの違いを押さえておきましょう。

遮光タイプ:とにかく光を遮りたいとき

遮光タイプは、その名の通り光そのものを反射・カットして日射を弱めるものです。

光に弱い育苗期(苗を育てる時期)の作物や、強い光で葉焼けしやすい品目に向いています。トマトなら遮光率40〜50%、イチゴなら40〜60%、アスパラガスなら30~50%程度が一つの目安です。「とにかく日差しを和らげたい」という場面で活躍します。

遮熱タイプ:明るさを保ったまま温度を下げたいとき

一方の遮熱タイプは、ちょっと賢い仕組みになっています。

光の中でも、植物の光合成に必要な「PAR(光合成有効放射=植物が光合成に使う波長の光)」は通しつつ、温度上昇の主な原因である「NIR(近赤外線=熱を運ぶ波長)」だけを選んで反射するんです。つまり、ハウス内を暗くしすぎずに温度だけを下げられる。

果菜類(トマト・パプリカなど)やバラのように、光をしっかり当てたいけれど暑さは抑えたい作物には、この遮熱タイプが必須です。メーカーの営業さんいわく、「光を落とすと結局収量が下がるから、最近の主流は遮熱」とのことでした。

遮光剤のメリット・デメリットを正直に解説

ここからは、農家さんが一番気にする「で、結局いいの?悪いの?」という部分を、いいことも悪いことも正直にお話しします。

遮光剤の4つのメリット

遮光剤の最大の価値は「楽なのに、しっかり効く」という点に集約され

メリット

  • ハウスの温度を下げる
  • 簡単施工
  • 管理も楽
  • 時間節約

の4つのメリットがあります。簡単に説明して行きます。

まずは高い環境制御力です。適切な製品を選べば、ハウス内気温を3〜7℃下げる効果が期待できます。一部の事例では収量が10%増えたという話もあり、品質の安定に直接つながります。

第二に、施工が楽で安全なこと。ネットの展張は高所での危険作業ですが、遮光剤は動噴(動力噴霧器)やドローンで吹き付けるだけ。屋根に登る必要がなく、落下リスクをなくせます。

次に、施設を守れること。強風や台風でネットが破れたり飛んだりする心配がありません。ネットの摩擦でビニールが傷むこともないので、結果的にハウス自体の寿命を延ばすことにもつながります。ただ雨などで遮光材が流れ落ち、吹付け直すということはあります。

最後に、これが意外と大きいのですが、労働時間の削減です。ネットの脱着に割いていた時間がまるごと浮くので、その分を収穫や病害虫管理といった、より大事な作業に回せます。

遮光剤の2つのデメリット

一方で、デメリットも正直にお伝えします。ここを知らずに導入すると「思っていたのと違った」となりかねません。

一つ目は、天候に左右されること。施工はハウス表面が乾いている晴天時に行う必要があり、塗った後に乾く時間も確保しなければなりません。雨の日には作業できない、という制約があります。

二つ目は、シーズンオフの除去の手間です。効果が要らなくなったら、専用の除去剤で洗い流す作業が発生します。降雨で自然に剥がれる製品も多いですが、確実に落とすには専用剤を使うのが基本です。

ただ、この除去は「光量をしっかり確保するためのリセット作業」と捉えれば、ネットの撤去・保管に比べてはるかに軽い負担です。デメリットというより、年に一度のメンテナンスと考えるのが現実的だと思います。

遮光ネット・遮熱フィルムとの違いと使い分け

「結局、ネットとフィルムと遮光剤、どれがいいの?」という質問は、よくあります。結論から言うと、経営規模と栽培期間で最適解は変わります。それぞれの違いを表で整理します。

評価軸遮光剤(塗布剤)遮光ネット遮熱フィルム
施工の楽さ◎ 吹き付けるだけ(ドローンなら20a/30分)△ 人手と時間が必要○ 張替え時に一括
遮光率の調整◎ 希釈率・塗布量で自由△ 目合いで固定△ 仕様で固定
耐風性◎ 剥離・破損の心配なし△ 強風時に破損リスク○ 被覆材と一体
保管◎ 不要△ 保管場所が必要◎ 不要
光の質○ 拡散光を取り込める製品も△ ネットの影ができる
環境制御の細かさ△ 一度塗ると除去まで持続◎ 必要な時だけ着脱可

この表からわかるのは、「楽さ・安全性・大規模対応」では遮光剤が圧倒的に有利で、「短期間だけピンポイントで遮光を調整したい」ならネットに分がある、ということです。

短期・一時的な遮光ならネット

着脱が簡単という点では、遮光ネットにも明確な強みがあります。「お盆前後の一番暑い2週間だけ遮光したい」といった、短期かつ調整重視の使い方ならネットが向いています。

2ヶ月程度の短期栽培なら自然剥離タイプの遮光剤

栽培期間が2ヶ月程度なら、降雨で自然に剥がれることを前提にした遮光剤(Q3ホワイトなど)を選ぶと、除去の手間もコストも抑えられます。「塗ったら、あとは雨任せ」で済むのは楽です。

大規模・長期なら遮光剤+ドローンが最強

最も合理的なのが、大規模ハウスでの「遮光剤+ドローン散布」の組み合わせです。

ドローンは3D測量で飛行ルートを設定し、自動航行で散布します。人の手では難しい「均一な塗りムラのない塗膜」を実現できるんです。手作業で3〜4時間かかっていた2,000㎡前後のハウスが、ドローンなら約30分で完了。作業時間を85〜90%も短縮できます。

メーカーの営業さんからは、「1ヘクタール超えのハウスでも1日で塗り終わる。人を集めて何日もネットを張っていた頃が嘘みたい、と法人さんに言われる」という話も聞きました。これこそスマート農業の実力です。

ハウスにおすすめの遮光・遮熱剤ベスト5

ここからは、現場での評価と信頼性をもとに、おすすめの遮光・遮熱剤を5つ紹介します。

第1位:レディヒート(マルデンクロー

結論から言うと、光を落とさず温度だけ下げたいなら、まずこれを検討すべき製品です。

PAR(光合成の光)はしっかり通し、NIR(熱線)を効率よく反射するハイブリッド性能を持っています。ハウス内気温だけでなく、植物の体温そのものを下げる効果にも寄与します。持続期間は3〜5ヶ月。トマトやバラのように、明るさを保ったまま温度を下げたい高度な栽培環境に最適です。

第2位:Q4ホワイト(HERMADIX)

日本の気候に合わせて選ぶなら、このQ4ホワイトが安定感No.1です。

雨の多い日本向けに開発されており、高い降雨耐性を持つ遮光剤です。遮光率40%でハウス内を3〜7℃下げる効果があり、持続期間は10〜12週間。梅雨やゲリラ豪雨が多い日本では、中長期対策として最も安心して使える一本だと思います。

第3位:ファインシェード スカイ(アキレス)

「とにかく楽したい・大規模を一気にやりたい」ならこれです。

ドローン散布専用に開発された、希釈不要(原液そのまま使える)の遮光剤です。遮光率20〜30%で、8L缶1つで約500㎡をわずか10分程度で散布可能。高所作業のリスクを完全に排除できるので、スマート農業の効率化をすぐに実感したい大規模法人にぴったりです。

ドローン専用でない、通常のアキレスファインシェードもあります。

第4位:レディソル(マルデンクロー

確実な遮光をコスパ良く実現したいなら、世界的ロングセラーのこちらです。

あらゆる被覆資材に対応し、希釈率を変えることで遮光率を自在に調整できます。費用対効果が高く、育苗から定植初期まで、「しっかり日差しを抑えたい」という場面で頼りになる定番品です。

第5位:エクリプス(スディラック)

環境性能と「自動調光」が魅力の、ちょっと面白い製品です。

99%自然分解される高い環境性能を持ち、晴天時は不透明(遮光)、雨天時は透明になるという物理特性を備えています。曇りや雨の日に暗くなりすぎないので、急な天候変化に自動で対応したい現場や有機栽培に向いています。LD(長期型)は6〜7ヶ月、F4(標準型)は3〜5ヶ月の持続性です。

製品名タイプ持続期間こんな人におすすめ
レディヒート遮熱3〜5ヶ月光を落とさず温度を下げたい(トマト・バラ)
Q4ホワイト遮光10〜12週間日本の多雨気候で安定して使いたい
ファインシェード スカイ遮光約2〜3ヶ月ドローンで大規模を一気に散布したい
レディソル遮光2〜3ヶ月コスパ良く確実に遮光したい(育苗など)
エクリプス遮光・調光3〜7ヶ月天候で自動調光・有機栽培

遮光剤を選ぶときの3つのチェックポイント

  • 機能:光を落としたくないなら「遮熱タイプ」を選ぶ
  • 除去剤の相性:レディ系は「レディクリーン」、Qシリーズは「リムービット」など指定のペアを守る
  • 被覆材への攻撃性:農POフィルムは硫黄・塩素系に弱い。炭酸カルシウム主成分など、ビニールを傷めない成分か確認する
ファインシェード スカイ
created by Rinker

散布・除去で失敗しないコツ

最後に、せっかくの遮光剤の効果を最大限に引き出すための、実践的なコツをお伝えします。

散布のコツ:清掃と「混ぜない」がカギ

散布前の清掃が密着性を左右します。

ハウス表面の埃や藻を事前にきれいに掃除しておくと、塗膜がしっかり密着します。そして絶対にやってはいけないのが、異なる遮光剤同士や他の薬剤を混ぜて散布すること。本来の性能が損なわれてしまうので、製品は単独で使ってください。ドローンを使う場合は、3D測量とルート設定で均一な塗膜が作れるのが強みです。

除去のコツ:薄めすぎず・厚塗りせず

シーズンオフの除去では、専用除去剤を規定の倍率で正しく使うことが重要です。

例えばレディクリーンなら7〜8倍に希釈し、乾いた被膜に散布。5〜10分なじませてから、降雨を利用するか水で洗い流すのが最も効率的です。

ここで一つ注意点があります。「早く効かせたいから」と規定以上の高濃度で厚塗りすると、被膜が厚くなりすぎて、除去剤でも落ちない「落膜困難」という状態になってしまいます。厚く塗りすぎて春になっても落ちず、光量が足りなくて困ったという失敗談を聞いたことがあります。濃すぎず・厚すぎず、規定通りに使うのが結局は一番楽な道、というわけです。

まとめ

では、この記事のポイントを振り返っていきましょう。

本日のまとめ

  • 遮光剤はハウスに塗るだけで温度を3〜7℃下げられ、ネット脱着の重労働から解放される
  • 光を落としたくない果菜類・花卉には、PARを通しNIRだけ反射する「遮熱タイプ」がおすすめ
  • メリットは「楽・安全・施設保護・労働削減」、デメリットは「晴天時のみ施工・除去の手間」
  • 大規模・長期なら遮光剤+ドローンが最も合理的。手作業の85〜90%の時間短縮になる
  • おすすめはレディヒート・Q4ホワイト・ファインシェードスカイ・レディソル・エクリプスの5製品
  • 除去剤は指定のペアを守り、厚塗りは「落膜困難」を招くので避ける

ハウスの遮光は、もはや「ネットを張れば安心」という時代ではありません。塗るだけで楽に、安全に、しかも効果的に温度を下げられる遮光剤は、異常気象を勝ち抜くための心強い味方です。

まずは自分のハウスの栽培品目(光を落としていいか・落としたくないか)と栽培期間を整理して、それに合う1本を選ぶところから始めてみてください。製品選びや除去剤の組み合わせで迷ったら、購入先の資材店やメーカーの営業さんに相談するのが、失敗しない一番の近道です。

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